世界の音楽情報誌「LATINA」×熊本シティエフエム791「SERENA SERATA」×蔦屋書店熊本三年坂

世界の音楽情報誌「LATINA」
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熊本シティエフエム791「SERENA SERATA」
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蔦屋書店熊本三年坂
熊本シティエフエムで毎月金曜日17:00-18:55で放送されているワールドミュージック専門番組「SERENA SERATA」で
毎月1回世界の音楽情報誌(今はWeb版)「LATINA」が選ぶする3曲をお届けしています。
蔦屋書店熊本三年坂では、LATINA編集部 花田勝暁氏のコメントと共に、収録アルバムをご紹介します。

 

今月の3曲

アーティスト名:Antonio Loureiro(アントニオ・ロウレイロ)

曲名:Saudade(サウダーヂ)*現在配信のみ

LATINA編集部 花田勝暁氏コメント

ジョビン-ヴィニシウスの名曲「A Felicidade (幸福)」に「Tristeza não tem fim(悲しみには終わりはない)」という有名なフレーズがあります。
アントニオ・ロウレイロは新曲「Saudade(サウダーヂ/郷愁」)で、「Saudade que não tem fim(サウダーヂこそ終わりはない)」とないと歌い、友人たちとの友情について歌いました。サビのフレーズでは、「どんなにコストがかかっても、友よ、会いに行くよ」と続きます。
音源に続いて数日前にアップされたビデオクリップでは、アントニオのその気持ちがビジュアルでも伝わってきます。
どんなビデオクリップかというと、アントニオと彼の友人たちが、それぞれの場所で、この曲に合わせて、思い思いに体を揺らしている映像です。
参加しているのダンサーではなく、アントニオの音楽家の友人たちなので、プロのダンスというわけではなく、それぞれに楽しんで体を揺らしているという具合なんですが、でも、そのリアルさで、アントニオの「会いたい」という気持ちが音だけで聴くよりも増幅されています。

ビデオに参加しているのは、アントニオ他、こちらのミュージシャンです。
Luana Saggioro e Pedro, Fred Heliodoro, Luiza Burian, Gisella Gonçalves, Sandra Rheier, Priscila Torres, Luis Sartori, Felipe Continentino, José Moacir, Raul Misturada, Lia Petrelli, Angelo Mundy, Tarita de Souza, Tatiana Parra.

アーティスト名:Nair Mirabratナイール・ミラブラット

アルバム名:Juntos Ahora

曲名:Cando 2(カンド・ドス)

LATINA編集部 花田勝暁氏コメント

アントニオ・ロウレイロは、この「隔離」期間に、各国の若い音楽家と交流し、作品を作ったりしていると言っていましたが、その交流の結実の1つとして、ウルグアイから素晴らしい傑作アルバムが誕生しました。シンガーソングライターのマルティン・イバラ率いる10人組Nair Mirabrat (ナイール・ミラブラット)のデビューアルバム『Juntos Ahora』です。この作品でプロデューサーを務めたのがアントニオ・ロウレイロ。
マルティン・イバラが作詞・作曲・アレンジした楽曲には、ジャズ、カンドンベに南米特有の歌心が絶妙にミックスされています。また、マルティン・イバラの歌声は、ウルグアイのシンガーソングライター、ホルヘ・ドレクスレルを彷彿とさせる人懐っこい歌声で、非常に凝ったこのバンドのアンサンブルの中でも、埋もれることのない魅力的な歌声です。
今日、お聴きいただく「Cando 2」は、強力なパーカッション・アンサンブルが印象的な、新世代カンドンベ・ジャズといった趣の曲ですが、ウルグアイの若いカンドンベ・ユニット、トリオ・カンドンベと、新世代アルゼンチン・ジャズ・シーンの実力派サックス奏者のラミロ・フローレスがゲスト参加しています。
アルバム全体に豪華なゲストも参加しており、ウルグアイからはマエストロ・ウーゴ・ファットルーソ(キーボード)、ニコラス・イバルブル(ギター)、ブラジルからはアントニオ・ロウレイロ、ジョアナ・ケイロス(クラリネット)などなど、豪華なゲストが参加しています。
本国でもフィジカルCDのリリース予定はないということで、ラティーナでCDをリリースする準備を進めています。続報をお待ちください。

アーティスト名:大城美佐子

アルバム名:島思い~十番勝負

曲名:片思い

LATINA編集部 花田勝暁氏コメント

沖縄民謡界の女王、大城美佐子さんが2021年1月17日、他界されました。84歳でした。ぼくは直接お会いしたことはありませんでしたが、インタビュー記事を何度か掲載していたり、お世話になっていたライターの方が、大城美佐子さんに吸い寄せられるように沖縄に移住したりなんてことがありました。
那覇の自身のお店「島思い」で、近年まで歌われていたということで、一度、会いに行くことができたら良かったです。
e-magazine LATINA では、追悼として、過去のインタビュー記事を、公開しました。

【追悼:大城美佐子】[2017.09]大城美佐子と宮沢和史─芸歴60周年を彩る共演曲集『島思い~十番勝負』を発表した大城美佐子が宮沢和史と「唄」の力を語る

【追悼:大城美佐子】[2011.10]師匠から弟子へ ── 歌に込められた激励と願い 大城美佐子&堀内加奈子『歌ぬ縁』 “先人たちから私が習い憶えた歌を一所懸命受け取りなさい”

今日お聞きいただくのは、大城美佐子さんが1962年に録音されたデビュー曲「片思い」です。

インタビューの中で、この曲についても触れています。
大城美佐子「師匠の知名定繁が押入れの中に頭を突っ込んでゴソゴソ探してね。1枚の紙きれを引っ張り出して「これを歌え」と。とっても難しい唄だったけど、自分にはこの曲しかないと思ったから、死に物狂いで頑張りました。よく「あんた、誰に片思いして歌ってたの?」って聞かれてね。恋に悩んでるように見えたみたいだけど、実は唄うのに必死だっただけ(笑)でも今は誰かのことを思い出さないと歌えないよ。昔、片思いした人のこと。ふふふ。」

世界の情報誌「LATINA」

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熊本シティエフエム791

毎月金曜日 17:00-18:55
パーソナリティ:久間 珠土織

大人の魅力を、落ち着いた雰囲気で流す番組。
フレンチ・ブランジリアンミュージック・ラテン・ハワイアン・ヒーリング・カンツォーネなど色々な音楽を、様々なゲストを迎えてお送りしています。